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噛むことの大切さ

噛むことの大切さ
毎日の食事。テレビを見ながら、もしくはパソコンの画面とにらめっこしながら済ましている方も少なくはない時代になっています。
時間がないからといって、食事の時間を削ったり、極力短時間で済むようにするしかないという方もいるようです。
食べ物をいただくとき、行っている「かむ」ということにスポットを当ててみましょう。

さて、この「かむ」という動作。「咬む」・「噛む」とも書き、「咀嚼」(そしゃく)と呼ばれます。
一口30回は噛みましょうとお話しすることもあるのですが、しっかりと噛んで食事をしている人はどんどん減ってきていると言われています。
時間がないと言って、早食いや、あまり咬まずに済むような柔らかいものを選んで食べたりするとどのようなことが起こるのでしょうか。

時は、弥生時代、このように飽食の時代でもなく、食べ物を柔らかく加工するという技術も今ほどは発達していませんね。
そのころの「噛む」回数はなんと現代の6倍以上といいます。
今は当時のたった6分の1程度しか咬んでいないということですね。

あまり噛まなくても高い栄養が取れるような食品が増えていますが、はたして栄養が取れれば、多く噛まなくてもいいのでしょうか。
実は多く噛まない現代の生活環境は身体に大きな影響があるのです。

噛まない生活と身体の関係
しっかり噛むことをしているあごの骨はとても発達します。
昔の人々の口の中は今では先天的に欠如している子供も多い、親知らずがしっかりきれいに生えていたものでした。
それはあごの骨が幼少期にしっかりと噛むことで成長し、大人の歯がきちんと生えるスペースがあったことを意味しています。
現代の子供はあごが小さく、歯が生えるスペースがないので、歯並びが悪くなったり、咬み合わせが悪くなるなどのトラブルがあるのです。
顎が細いほうが美しいとか、審美的なブームなどがあるのも、かなり怖い部分だと言えるのです。

そのほかにはしっかり噛むお口には沢山の唾液が分泌します。
唾液は天然の抗生物質などというほど、体内の健康維持を助ける働きがあります。
たとえば、細菌が育つのを防いだり、体内に入り込む有毒なものを薄めたり、癌を防ぐとも言われているのです。
しっかり噛んで、このように身体に有効な無料のお薬を沢山分泌して、いつまでも元気でいたいですよね。

沢山噛むと賢くなるとも、 昔から言われたものです。
それは噛むと脳の細胞が活性化されて働きが良くなるということなのです。
しっかり噛んであごの周りの筋肉をたくさん使えば頭の中も元気になるのです。
老人性痴呆を防く効果があるともいわれているのですよ。

このようにちょっと気をつけて多く噛んでいけば、健康につながります。
忙しいときほど、ちょっと多めに噛んでみて、ストレスを解消し、脳をすっきりさせればお仕事の効率も上がってきます。
いらいらした時に歯ごたえのあるものをキイっと噛むイメージがありませんか。
新鮮な野菜、噛み応えのある食べ物をちょっと取り入れてバランスの良い食事から、健康を手に入れましょう。
時々、六本木の笠原歯科での検診も忘れないでくださいね。