2019-12

抜けた歯をそのままにしたら!?

虫歯や歯周病などで歯を失ってしまったとき「奥歯だから目立たない」「今のところ噛める」などの理由で治療を中断して放置してしまう方がいらっしゃいます。
しかし、お口の中は、ラグビーのスクラムのように、全ての歯が揃ってお互いに支え合うことでバランスが保たれています。
たった一本の歯でも失うと全身に様々な悪影響がでてくるので、早めの治療が必要です。

どんな影響があるの?

1.機能面での影響
・反対側の歯が伸びてくる:後から治療するときに邪魔になります。 
・抜けた歯の両隣の歯が抜けた側に倒れてくる:歯列の強度が弱くなります。
・全体の歯並びが悪くなる:歯と歯の間のすき間が左右前後にあいてきます。
・噛み合わせがおかしくなる:複数の歯が反対側の歯とうまくかみ合わなくなってきます。
噛み合わせや歯並びが悪くなり歯間が広がると、歯がぐらぐらしてくるほか、歯垢(プラーク)が溜まりやすくなり、虫歯や歯周病ができやすい口内環境になってしまいます。

2.見た目の影響
・歯が抜けたままで見た目が悪くなる:特に見えるところでは恥ずかしいでしょう。
・歯の骨が溶けるので、歯茎が下がってくる:歯茎のラインがでこぼこになります。
・顔の輪郭が変化する:多数の歯がなくなると、顔がゆがんでしまいます。
歯が生えそろっていると、左右バランス良く筋肉が鍛えられるため、シャープな輪郭を保つことができます。しかしバランスが崩れてきて、顎や顔の筋肉が衰えると、ゆがみによってしわが増えてしまうこともあります。

3.生活面での影響
・よく噛めなくなり、胃や腸の負担が増える:食べられるものが減ってきます。
・よく噛めないので、食欲が減る:その結果、栄養状態が悪くなります。
・発音ができず、うまく話せなくなる:対人関係を避ける傾向がでてきます。
・脳への刺激が減少する:認知症の引き金になる可能性があります。
歯のバランスが崩れ、十分に咀嚼ができなくなると、胃や腸などの消化器官に負担がかかってしまい、全身の健康への影響が出てしまうこともあります。

失った歯の治療方法は?

失った歯の治療方法は大きく分けて、ブリッジ、入れ歯、インプラントの3種類あります。
それぞれにメリットや注意点があるので、治療の際はドクターやスタッフの説明を受け、しっかりと納得した上で、ご自分の歯を失った経緯や状態に合った治療を選びましょう。

2019-12-20 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

飲み物のpHのはなし

ひとは1日2リットルもの唾液を分泌しているといいます。
この唾液が少なくなると、歯ぐきが腫れたり虫歯などお口の中のトラブルを招く他にも、免疫力が低下したり病気にかかりやすくなるなど言われています。

唾液の他にも私たちが飲み込んでいるものとして、水分があると思います。
その水分、主に飲料のpHについて今日はお話ししたいと思います。


pHについておさらい

pHは水素イオン指数といい、今はピーエイチと呼んでいます。少し前の教育だとペーパーなどと言ったかもしれません

酸性、中性。アルカリ性と14の目盛りで分けて表示します。
pH7が中性になります。

酸性といえば酸っぱい味が予想できるでしょうか。
梅干しは酸っぱいですが、アルカリ性になるのは面白いところ。果物や野菜はアルカリ性になるものが多いです。
ファストフードや加工されている食べ物は酸性になります。

人間の体液は弱アルカリ性のpH7.4と言われています。胃液はpH2の酸性だそうです。

飲み物のpHを知ろう!

牛乳や水は中性になります。麦茶やお茶はこの辺りになりますし、ビールやコーヒーはpH5でやや酸性を示します。

オレンジジュースやワインなどはpH4とさらに酸性に傾きます。
食酢、レモンジュースはpH3程度、コーラはpH2.2を表すそうです!

歯と飲み物のphの関係

実はエナメル質臨界pHというのがあります。
このpHから酸性になると、エナメル質が溶けていくという目安になるのですが、
そのエナメル質臨界pHは5と言われています。
このpH5以下の酸性の液体に歯を漬けておけば歯は溶け始めるということですね!

実際の口腔内でのpHのはなし

よく炭酸飲料に歯を漬ければ一晩で溶け始めるなんて、聞いたことありませんか?

嘘ではなくて、実際に歯を炭酸飲料に入れて放置すると歯の表面は翌日溶けかけています。

ただ実際お口の中では一回炭酸飲料をのんだだけでそんなことはありえませんよね。
実際口の中はどうなっているのでしょう。

冒頭にお話したとおり、私たちは毎日2リットルの唾液を飲み込んでいます。
この唾液はpH6.8と言われています。
酸性の食べ物を口にしたり、飲み物を飲めば一度は口の中のpHは当然酸性に傾きます。

しかし口の中にある唾液には素晴らしい働きがあります。
それを唾液の緩衝能といい、約40分程で、口の中は中性に戻されるのです。

ですから、歯を磨かなくてもすぐ虫歯にはならずに、唾液が歯を守ってくれているということなのですね。

それでも虫歯になるのは何故?

唾液が虫歯になりにくいpHまで働いてくれるには時間にして40分はかかります。
当然唾液の分泌が少なければ、時間はもう少し延びるでしょう。

その40分を待たずに次の一口を飲めばまた同じ事の繰り返しですから、ダラダラ甘いものを飲むのは虫歯になりやすいと言われています。

甘いものを口にしたら、歯磨きをすると更に早く口の中のpHを中性に近づけることができます。

流行りのアレ、気になるpHは?

最近よく見かける天然水にフルーツテイストの加糖されたものですが、やはり糖の種類にもよりますがpH3〜4程度を示すものが含まれています。

他には甘くない炭酸水ですが、こちらpH4〜5の間になるようなので、甘くなくて水だから大丈夫とは言えないようですね。

数値からは充分に酸性の飲料と言えますので、夜中目が覚めて飲むとか、一日中ダラダラ飲むなどの危険な飲み方には気をつけるべきだと思います。

2019-12-06 | Posted in デンタルニュースComments Closed