デンタルニュース

歯周病は糖尿病の合併症?

糖尿病とはどんな病気?

糖尿病は、血糖値を下げる働きをする「インスリン」というホルモンの分泌が少なくなったり、作用が低下したりすることで血糖値が高くなる病気です。
高血糖状態が慢性化、長期化することで血管が傷つき、将来的に心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった、より重い病気(糖尿病の慢性合併症)につながる恐れがあります。
また、著しく高い血糖は、それだけで昏睡(こんすい)などをおこすことがあります。

糖尿病には1型と2型があり、遺伝でかかりやすい体質や、免疫の異常で発症するケース、別の病気や薬が原因で発症するケース、食べ過ぎや生活習慣から発症するケースなど、かかる原因は様々です。特に、生活習慣が原因でかかる2型糖尿病は全体の9割以上を占め、近年増加の一途をたどっています。

なんと日本人の5~6人に1人が糖尿病か、その予備群と言われています。

糖尿病と歯周病の関係

「歯周病は糖尿病の第6番目の合併症」と言われています。
このふたつの病気にはどのような関係があるのでしょうか?

歯周病は、歯肉(歯ぐき)や歯槽骨(骨)など歯を支える歯周組織が、細菌による炎症で破壊されて歯を失っていく病気です。
日本人の約80%の方がかかっているとされます。
歯周病になった歯周ポケットの中は見えませんが、歯磨きで出血するとき、炎症の大きさは手のひらくらいのサイズになっています。
この大きな傷口が手当されずに露出し、出血や膿が治療なしで放置され、歯周病菌が血液を介して体に流れ込んでいく、と聞くと深刻さがイメージできると思います。

血管から歯周病菌が流れ込むと、血液内に炎症性サイトカインという物質が増え、インスリンの働きを悪くし、糖尿病の血糖コントロールが難しくなって糖尿病を発症します。
歯周病は糖尿病だけでなく、多くの疾病を引き起こす怖い病気です。

糖尿病の患者さんは、細菌に対する抵抗力や組織の修復力が低下し、口腔内の乾燥等が生じるので、歯周病になりやすく悪化しやすくなります。
このため、糖尿病の患者さんが歯周病になると、どちらの病気も悪化していくという負のスパイラルが起きてしまいます。

糖尿病予防はお口から!

糖尿病も歯周病も、初期は自覚症状がないため、放置してしまうことで進行します。
歯周病の予防には、かかりつけの歯科医院をもち定期的に通院することが大切です。
また、糖尿病の予防には、毎年健康診断を受けて血糖値をチェックし早期発見に努めることが大切です。
糖尿病で歯周病を発症している場合は、歯周病の治療で糖尿病が改善することが知られていますので、できるだけ早く治療を開始しましょう。

2022-11-21 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

お口の健康が健康寿命を延ばす

今年の「歯と口の健康週間」(6月4~10日)の標語は「いただきます 人生100年 歯と共に」です。
超高齢化社会の日本では、健康上の問題で制限されることなく日常生活を送ることのできる期間である「健康寿命」をいかに延ばすかが課題となっています。

厚生労働省の「健康寿命の令和元年値について」によると、令和元年平均寿命は男性81.41年、女性87.45年、平均寿命と健康寿命の差は男性8.73年、女性12.06年でした。
この期間の短縮に大きく影響するのが、口腔機能であることがわかっています。

オーラルフレイルとは

「オーラルフレイル」とは歯や口の機能が衰えた状態のことを言います。
健康な状態と要介護の間には、筋力や心身の活力が低下する「フレイル(虚弱)」と呼ばれる段階があります。オーラルフレイルは、「噛む」「飲み込む」「話す」などの口腔機能が加齢などにより衰えることが原因です。

初めは、食べこぼしや軽いむせ、固いものが噛みにくい、滑舌の悪化などの症状が現れます。
その後は、噛めないものが増える→やわらかい物を好んで食べる→噛む機能が低下していく…という負の連鎖によってどんどん悪化していってしまうのです。

そして、慢性的な低栄養によって筋肉量が減少して歩行困難になる「サルコペニア」という状態になり、やがて、骨、関節、筋肉、神経など、運動に必要な身体機能が低下し、立ったり歩いたりできなくなる、「ロコモ」という状態になってしまいます。
口腔機能の衰えが全身の老化に繋がってしまうのです。

オーラルフレイルの状態を早期に発見して対策をとることが大切です。

オーラルフレイルを予防しよう

パタカラ体操
お口の周りの筋肉を鍛える体操です、『大きな声で、一文字一文字ハッキリと!』これを毎日食事の前に行いましょう。
①「パ」…唇をはじくように
②「タ」…舌先を上の前歯の裏につけるように
③「カ」…舌の奥を上顎の奥につけるように
④「ラ」…舌をまるめるように
各発音 8 回を 2 セット
他には、食事は1日3食よく噛んで食べ、人と積極的に会話をし、歯科医院で定期健診を受けましょう。
いつまでも元気に過ごせるよう、できる事から初めてみてください。

2022-05-16 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

あなたは当てはまる!?虫歯になりやすい習慣

虫歯とは?

虫歯は、ミュータンス菌などの虫歯原因菌が出す酸によって歯のカルシウムが溶かされ、やがて穴が開いてしまう病気のことです。
感染症ですので、虫歯菌はどんどん増えて他の歯に広がっていきます。
放置して神経に達すると激痛が発生し、さらに放置すると歯根に炎症がおき、歯を抜くことになります。

虫歯の原因には「細菌(ミュータンス菌)」「糖質」「歯の質」の3つの要素があります。この3つが重なると、時間とともにむし歯になります。

 

虫歯になりやすい習慣

歯みがきは1日1回以下

歯磨きの回数が少ない人は虫歯になりやすい傾向があります。
歯にプラークが溜まりやすくなり、虫歯菌が増殖するからです。
また、しっかり歯磨きをしているつもりでも、歯並びや歯磨きの仕方の癖で、磨きにくいところにプラークが溜まり、虫歯の原因になる場合もあります。

甘い物をよく食べる

虫歯菌は糖分をエサにして「歯を溶かす酸」を出します。
このため、甘いものをよく食べると虫歯の発症リスクが上昇します。

だらだら食べる・間食など食事の回数が多い

虫歯の原因菌は、炭水化物や砂糖などを原料として水に溶けないネバネバしたプラークと呼ばれる物質をつくり、その中で増殖しながら酸をつくり出します。
その酸によって歯が溶けていくことを「脱灰(だっかい)」と言います。

しかし、食後しばらくすると、酸性に傾いたお口の中は唾液の持つ中和する働き(緩衝作用)によって徐々に元に戻ります。
そして唾液がカルシウムイオンとリン酸イオンを補給し、脱灰した歯の表面を修復し歯を強くする「再石灰化」を進めて歯を守ります。
だらだら食事をしたり、間食回数が多いと、再石灰化する時間がなくなり虫歯ができやすくなります。
甘い飲み物を時間をかけて“チビチビ”飲んだり、飴やガムをいつも口の中に入れ続けることも、虫歯になりやすくなる習慣です。

虫歯予防のポイント

毎食後に歯を磨きましょう。
歯磨きができないときは、うがいをするだけでも効果的です。特に、夜寝る前の歯磨き習慣が大切です。
また、よく噛んで食べると唾液が沢山分泌され、歯の表面の汚れを洗い流して「再石灰化」を促進してくれます。
よく噛んで食べるように心がけましょう。

どんなに丁寧に歯を磨いても、手磨きでは歯垢の60%程度しか取れません。
自分で取りきれない汚れは、3か月ごとに歯科医院できれいにしてもらい、虫歯リスクを下げましょう。口腔内を清潔に維持することは、ウイルス感染のリスクを下げる効果もありますよ。

2022-02-17 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

大腸がん予防のために、歯周病予防を

大腸がんとは?

大腸がんは、大腸の一番内側にある粘膜に発生し、日本人に最も罹患数が多いがんです。
ステージⅡで3年生存率76.1%、5年生存率64.3%という恐ろしい疾患です。
良性のポリープが大きくなる過程でがん化するものと、粘膜の正常な細胞が直接がん細胞に変化するものがあり、次第に大腸の壁に深く侵入し、大腸の壁の外まで広がって腹腔内に散らばったり、リンパ液や血液に乗って、リンパ節や肝臓、肺などに転移したりします。
そして、この恐ろしい大腸がんと、歯周病菌との関係が明らかになってきました。

大腸がんと歯周病菌の関係

横浜市立大学・肝胆膵消化器病学の研究グループは、2018年6月28 日、大腸がん患者のがん組織と唾液に共通した菌株が存在していることを発見しました。
その菌は、歯周病の増悪化にも関与することが知られているFusobacteriumnucleatum(フソバクテリウム・ヌクレアタム:F.n.)という口腔内の常在菌の一種で、多くの人が持っている菌です。
これまでの様々な研究の中で、F.n.が大腸がんの病態や予後に悪影響をおよぼすという報告例が増え注目されていましたが、F.n.が人の腸内から検出されることは少なく、大腸がんでの感染経路はよくわかっていませんでした。
研究チームは、F.n.が口腔内優性菌種であることに着目し、F.n.が口腔内から大腸がんへ移行して原因になっているとの仮説を立て、患者の大腸がん組織と唾液からF. n.を分離して解析した結果、4 割以上の患者で、大腸がん組織と唾液に共通した F. n.菌株が存在していることを発見しました。
詳しい感染ルートは分かっていませんが、今後の大腸がんの新たな治療法、予防法、リスク評価などに繋がる可能性があります。

歯周病を予防しましょう

歯周病は、日本人の成人8割が罹っていると言われる病気です。
今回紹介した大腸がんの他にも、糖尿病、動脈硬化性疾患、肥満、誤えん性肺炎、アルツハイマー型認知症など、様々な病気との関係があります。

歯周病の原因はF.nやレッドコンプレックスと呼ばれる毒性の強い細菌群です。
それは歯垢(プラーク)で繁殖し、歯と歯茎の隙間に歯垢が溜まると、毒性によって歯茎に炎症を起こし、歯槽骨を破壊していきます。
そして最終的には歯が抜けてしまうのです。

歯周病の一番の予防は、歯周病菌の温床である歯垢を歯に付着させないことです。
毎食後、歯と歯茎の間を丁寧に磨き、プラークを取り除きましょう。
また、歯科医院で定期健診を受け、専用の機械で徹底的にお口の中をクリーニングしましょう。
初期の歯周病はほとんど自覚症状がありません。
3ヶ月に一度は定期検診を受け、必要に応じて歯石の除去やブラッシング指導など、歯の健康をトータルチェックする機会を作りましょう。

2021-11-16 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

歯石には種類がある?

歯石とは?

「歯石」とは、唾液中のカルシウムイオンやリン酸イオンが歯垢に沈着(石灰化)して、石のようにかたく歯にこびりついたものをいいます。
いわば、むし歯菌や歯周病菌など細菌のマンションです。
歯石は、歯垢が歯に付着した状態が長く続くと形成されます。
個人差もありますが、2~14日ほどで歯垢の石灰化が始まり、次第に大きくなっていきます。

歯石の種類

歯石は、歯肉より上の部分に付着している歯石(歯肉縁上歯石)と、歯肉より下の部分(歯肉の中の骨の周りに付着・歯肉縁下歯石)に付着している歯石があります。

縁上歯石

・黄白色、灰白色
・目で確認できる
・プラーク(歯垢)が原因
・歯茎のラインに沿った場所に付着する
・縁下歯石に比べると量が多く、形成が速い
・縁下歯石より軟らかく、比較的簡単に除去できる
・歯茎が腫れる歯肉炎の原因になる

縁下歯石

・歯周ポケット(歯茎の溝の中)に隠れているので見えない
・血液や、歯周病菌が出す物質により黒褐色
・歯周病が進んだ方に多く見られる
・縁上歯石よりかなり硬く、除去が困難
・細菌が出す毒素が歯槽骨を溶かし、歯周病の原因になる。

歯石の除去・予防方法

歯垢は、歯みがきや歯間清掃用具(デンタルフロス)などで除去できますが歯石に変化してしまうと、歯科医院等で歯石除去(スケーリング)を受けなければ取り除くことはできません。
また、歯肉縁下歯石はご自身で気づくことは困難で、歯周ポケット内に生息する細菌の住み家となるため、放置しておくとどんどん歯周病が悪化していきます。
 歯科医院では、スケーラ-という専用の器具を使用し、歯にこびりついた歯石を丁寧に削り取っていきます。
歯石のなかには、歯周病菌だけでなく大量のむし歯菌も潜んでいますので、歯石を除去すれば、虫歯予防にもなります。
 歯石は、きれいに除去をしても時間の経過と共にまたできてしまいます。ため込まないよう、3ヶ月に一度は歯科医院でお口のクリーニングを受け、清潔に保ちましょう。

2020-12-17 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

歯科医院で認知症が予防できる!?

歯周病菌が認知症の原因に?

日本人の成人、約8割がかかるとされる「歯周病」。
怖いのは、歯を失う原因になるだけでなく、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化、誤嚥性肺炎、早産・低体重児出産など、様々な病気の発症と深く関わっていることです。
そして、歯周病菌が認知症の7割を占めるアルツハイマー病の原因菌の一つと考えられています。

アルツハイマー病は「Aβ(アミロイドベータ)」などの異常なたんぱく質が長年、少しずつ脳に蓄積することで発症し、症状が進行するとされています。
そして、歯周病の原因菌やその毒素が歯ぐきの血管から体内に入ることで、このAβが体内でつくられ脳に蓄積することが分かりました。

九州大学や北京理工大(中国)などの研究チームが、マウスの腹の内部に3週間、歯周病菌を直接投与して感染させたうえで正常なマウスと比較しところ、歯周病菌に感染したマウスの脳血管の表面では、Aβを脳内に運ぶ「受容体」と呼ばれるたんぱく質の数が約2倍に増えており、脳細胞へのAβの蓄積量も10倍に増えていました。

認知症の治療方法は未だに確立されていませんが、正しい歯磨きと、歯科医院での定期検診で認知症の予防効果が期待できます。

定期的に検診を受けよう

歯周病を予防する一番効果的な方法は「歯磨き」です。
しかし、どうしても自分では磨きにくいところ、磨ききれないところが残ります。
長い間同じ場所に残ってしまったプラークは、歯石になって歯周病のリスク要因になります。

成人病などにつながる歯周病の重症化を防止するため、保険制度が改正されました。
4㎜以上の歯周ポケットがある場合には「歯周病安定期治療(SPT)」、3㎜以下の歯周ポケットの場合には「歯周病重症化予防治療(P重防)」を受けることができます。
特に、SPTは歯周病の重症化を予防するために大切な治療で、内容には歯科衛生士による口腔内清掃や歯ぐきと歯の間の歯石除去処置や歯周ポケット内の清掃も含まれています。

P重防も重症化を防止するための大切な治療ですので、歯科医院が指定する間隔で必ず受診するようにしてください。

ご注意

クリーニングをご希望で来院される患者さんがいらっしゃいますが、医療行為のため必ず歯科医師の検査と診断を先に受けていただきます。
もし治療が必要な箇所があれば、治療が終了してからの処置になります。さらに、審美性の回復が目的ではないので、タバコのヤニなど着色汚れがひどい場合は、別途自費でPMTCやジェットポリッシャーなどの器具による歯面清掃処置をお勧めする場合があります。
詳しくは、六本木の当院でご相談ください。

2020-10-16 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

新型コロナウイルス重症化予防のために口腔ケアをしよう!

4月20日に放送されたNHKのTV番組「あさイチ」で、鶴見大学の花田教授が、口腔ケアが新型コロナウイルスによる肺炎の重症化リスクを下げる効果がある、と紹介されました。
新型コロナウイルスに感染すると、始めはウイルス性肺炎と免疫との戦いです。

ところが、ウイルスに対する免疫力が暴発し、肺の細胞がダメージを受けて細菌性肺炎を起こしやすくなります。
そこに、口のなかのむし歯・歯周病などの常在菌が肺に入って細菌性肺炎を続発し、細菌が急速に増加して免疫システムを圧倒し、重症化させます。
やがて細菌が血液に入って体を蹂躙し、死の可能性が高くなるのです。

口が汚いとウイルスに感染しやすい!?

風邪の種類には細菌性とインフルエンザなどのウイルス性があります。
細菌は粘膜に付着するだけで、のどが痛くなったり熱が出たりしますが、ウイルスは粘膜についただけでは発症せず、のどの粘膜に付着した後、その細胞壁をこじ開けて細胞内に入り、増殖しながら次々と隣の細胞に侵入して破壊と増殖を拡大していきます。
その際に、歯周病菌はウイルスが体の中に入り込むのを助けるタンパク分解酵素を出すのです。
ですから、毎日の歯みがきと舌みがき、歯科医院での定期的な口腔ケアが大切なのです。

口腔ケアをしよう!

舌みがき この機会にぜひ始めましょう

舌の汚れは舌苔(ぜったい)と呼ばれます。舌の表面には舌乳頭(ぜつにゅうとう)という細かい突起がたくさんあり、ここに食べかすや口の中ではがれた粘膜がたまり、細菌のすみ家になっています。
「舌みがき」することで、口腔内の細菌数を減らす事ができます。

①舌の清掃には、舌ブラシが有効です。ブラシがきちんと当たっているか確認するため、鏡を見ながら行いましょう。
②ブラシは舌の「奥から手前」に動かします。舌はとてもデリケートな柔らかい組織ですので、傷つけないようにやさしく行いましょう。
③朝起きてすぐと寝る前の1日2回みがくのがおすすめです。寝ている間、気付かないうちに口腔内の細菌が肺の中に入ります。寝る前に口腔内をきれいにしておくことが大切です。

歯科医院で口腔ケアを受けよう

お口の中には様々な細菌が住んでいます。細菌たちは、歯の表面に集まってネバネバした物質を出し、バイオフィルムというバリアのような膜を形成します。
厄介なことに、このバイオフィルムはとても強力で歯磨きでは除去することができません。
歯医者さんで特殊な機械や薬品を使って除去する必要があるのです。
クリーニングを受けることで、磨きにくいところに付着した虫歯菌や歯周病菌を減らすことができます。
毎月の歯周病安定期治療や3ヶ月に1度の歯周病重症化予防治療を受けて、清潔でウイルス感染リスクの少ない口腔内環境を維持しましょう。

2020-05-18 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

新型コロナウイルスに対する当院の対策について

世界中で新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、歯科医院の受診に関しても心配される患者様がいらっしゃることと思います。

実は、歯科医院で専門的口腔ケアを受けることで、ウイルスや細菌の感染確率が低下することが知られています。
また当院では、患者様に安心して診療をお受けいただけるよう、下記のような取り組みを行っています。

院内感染予防のために行っている取り組み

1. 診療台を消毒液で清拭しています。
2. 頻繁な手洗いと手指消毒をしています。
3. マスクとゴーグルを着用しています。
4. 患者さまごとにグローブを交換しています。
5. エプロン、コップは使い捨てにしています。
6. 治療器具は滅菌消毒して患者さまごとに交換しています。
7. 口腔外バキュームを使用し、空気中に飛散する感染性物質を吸引しています。
8. 医療用空気清浄機を稼働しています。

新型コロナウイルス対策として追加で行っている取り組み

9. 玄関、待合室に消毒液を設置しています。
10.ドアノブや取手、ソファ、手すり等、患者様が触れる場所を消毒液で清拭しています。
11.待合室に次亜塩素酸水対応超音波噴霧器を設置し、空気除菌をしています。

体調の優れない患者様へ

当院には、幼児から高齢者の方まで幅広い年代の患者様に通院いただいております。普段より院内の清掃や滅菌などには気を配っておりますが、次のような症状をお持ちの方は、受診をお控えください。解熱後にご予約の取り直しをいたします。

1 風邪の症状や37.5度以上の熱が4日以上続いている
2 強いだるさや息苦しさがある

重症化しやすい高齢者や基礎疾患がある方に加えて、念のため妊婦さんも、こうした状態が2日程度続いたら医療機関に相談しましょう。

安心して治療を受けていただけるよう努めてまいりますので、気になることがございましたらお気軽にご相談ください。

2020-03-17 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

歯科治療と骨粗鬆症との関係

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは、骨の量(骨量)が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。
現在、骨粗鬆症患者は1000万人を超えるといわれており、そのうちの80%が女性です。
年齢別でみると、50歳以上の女性の4人に1人が骨粗鬆症になっているそうです。
高齢になってから転倒して太ももの骨などを骨折し、それから寝たきりになるなど、極めて深刻な問題を引き起こします。

骨粗鬆症と歯周病

骨粗鬆症は女性に多い病気です。
それは閉経後の女性ホルモンであるエストロゲンの減少が関係しているからです。
エストロゲンの減少は骨の強度の低下に関係するだけではなく、歯を支えている顎の骨にも関係しています。
このため、骨粗鬆症の方は歯周ポケット内に炎症を起こしやすく、歯周病にかかりやすいうえに、進行も早いとされているのです。

骨粗鬆症と歯科治療

骨粗鬆症のお薬、ビスフォスフォネート系製剤(以下BP製剤)は、骨粗鬆症やがんの骨転移などに対して有効性が高く多くの患者さんに使用されています。
しかし重大な副作用があります。
それは、抜歯やインプラント手術などの顎骨に刺激が加わる治療を受けると、顎の骨が壊死してしまう危険があることです。
そのため骨粗鬆症の治療を受けている方は歯科を受診するとき、どんなお薬を飲んでいるのかを必ず伝え、ご相談いただく必要があります。
骨粗鬆症になったら虫歯や歯周病の治療をきちんと受け、口の中を清潔に保つことで自分の歯を大切にすることを心がけましょう。
また、BP製剤を用いた治療を開始する場合は、歯科治療を済ませておきましょう。

骨粗鬆症を予防しよう

1)カルシウムを摂取しよう

厚生労働省はカルシウムを1日600mg摂取するように指導しています。
カルシウムをとることで、骨だけでなく歯も丈夫になります。

2)運動をしましょう

どの年齢でも運動で骨量がアップすることが分かっています。30分程度のウォーキングがお勧
めです。運動により体の筋肉をきたえることで転びにくくなり、骨折の防止にもつながります。

3)日光浴をしましょう

ビタミンDは、腸から吸収されたカルシウムをサポートする効果があります。食事からだけでは
なく日光浴により皮膚でもつくられます。

バレンタインのチョコや節分の恵方巻きをおいしくいただくためにも、骨粗鬆症と歯周病の予防を心がけましょう。定期的なプロによる歯面清掃、歯石除去、フッ素塗布が効果的です。

2020-01-16 | Posted in デンタルニュースComments Closed 

 

抜けた歯をそのままにしたら!?

虫歯や歯周病などで歯を失ってしまったとき「奥歯だから目立たない」「今のところ噛める」などの理由で治療を中断して放置してしまう方がいらっしゃいます。
しかし、お口の中は、ラグビーのスクラムのように、全ての歯が揃ってお互いに支え合うことでバランスが保たれています。
たった一本の歯でも失うと全身に様々な悪影響がでてくるので、早めの治療が必要です。

どんな影響があるの?

1.機能面での影響
・反対側の歯が伸びてくる:後から治療するときに邪魔になります。 
・抜けた歯の両隣の歯が抜けた側に倒れてくる:歯列の強度が弱くなります。
・全体の歯並びが悪くなる:歯と歯の間のすき間が左右前後にあいてきます。
・噛み合わせがおかしくなる:複数の歯が反対側の歯とうまくかみ合わなくなってきます。
噛み合わせや歯並びが悪くなり歯間が広がると、歯がぐらぐらしてくるほか、歯垢(プラーク)が溜まりやすくなり、虫歯や歯周病ができやすい口内環境になってしまいます。

2.見た目の影響
・歯が抜けたままで見た目が悪くなる:特に見えるところでは恥ずかしいでしょう。
・歯の骨が溶けるので、歯茎が下がってくる:歯茎のラインがでこぼこになります。
・顔の輪郭が変化する:多数の歯がなくなると、顔がゆがんでしまいます。
歯が生えそろっていると、左右バランス良く筋肉が鍛えられるため、シャープな輪郭を保つことができます。しかしバランスが崩れてきて、顎や顔の筋肉が衰えると、ゆがみによってしわが増えてしまうこともあります。

3.生活面での影響
・よく噛めなくなり、胃や腸の負担が増える:食べられるものが減ってきます。
・よく噛めないので、食欲が減る:その結果、栄養状態が悪くなります。
・発音ができず、うまく話せなくなる:対人関係を避ける傾向がでてきます。
・脳への刺激が減少する:認知症の引き金になる可能性があります。
歯のバランスが崩れ、十分に咀嚼ができなくなると、胃や腸などの消化器官に負担がかかってしまい、全身の健康への影響が出てしまうこともあります。

失った歯の治療方法は?

失った歯の治療方法は大きく分けて、ブリッジ、入れ歯、インプラントの3種類あります。
それぞれにメリットや注意点があるので、治療の際はドクターやスタッフの説明を受け、しっかりと納得した上で、ご自分の歯を失った経緯や状態に合った治療を選びましょう。

2019-12-20 | Posted in デンタルニュースComments Closed