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歯周病で早産の危険が高まる?

★歯周病で早産の危険が高まる
妊娠中は、おなかの赤ちゃんへの麻酔やレントゲンの影響が心配で、歯医者に行かずに我慢してしまう方もいるかもしれません。
しかし、最近では、妊婦の歯周病は早産(妊娠22~36週での出産)を促してしまい、低体重の赤ちゃんが生まれる恐れがあることが研究により分かってきました。
歯周病の人とそうでない人を比べた場合、早産のリスクは、アメリカでは7.5倍、日本でも5倍に高まると言われています。
これは、早産の原因といわれるタバコやアルコール、高齢出産よりもはるかに高い数字となります。

★歯周病とは?
一概に歯周病といっても、歯ぐきや歯を支えている骨などに炎症が起きる病気の総称のことです。
歯と歯ぐきの間に溜まったプラーク(歯垢)や歯石の中にいる歯周病菌が歯ぐきにダメージを与え、少しずつ歯を支える組織を破壊していき、最終的に歯を支える骨を溶かし、歯が抜けてしまいます。
歯周病はサイレントディシーズ(静かなる病気)と呼ばれるほど症状に気づきにくく、歯を失う大きな原因となっています。
歯周病患者は、20代女性では重症な方はあまりいませんが、30歳以上になると急激に増え始めます。
歯周病で早産
★なぜ歯周病で早産するの?
研究により、歯周病と早産のメカニズムが少しずつ解明されています。
それは、出産のメカニズムと一致しています。
陣痛は、子宮収縮作用のあるプロスタグランディンという物質の分泌が高まって起きます。
このプロスタグランディンの分泌を促すのが、サイトカイン。これは炎症によって増える生理活性物質です。
歯周病は歯周病菌によって炎症を起こしている状態です。歯の周りの炎症によりサイトカインが増加し、プロスタグランディンが分泌され、子宮が収縮し早産となるのです。
実際、歯周病の程度が重くなるにつれ、血中のサイトカインが増え、サイトカイン数値の高い人ほど出産時期が早くなっていることも解っています。

★妊娠中でも怖がらずに歯医者へ
妊娠をすると歯がボロボロになるという噂がありますが、実際そんなことはありません。
つわりで気持ち悪く歯が磨けなくなってしまったりして、むし歯や歯周病になる方が多いためだと考えられます。
赤ちゃんが生まれてからは、ますますお母さんの時間が無くなり歯医者に来にくくなってしまいます。
歯茎が腫れたり、違和感を感じたりしたら、ためらわずすぐに六本木笠原歯科で受診してください。
また、妊娠中でもPMTCで歯をクリーニングし、健康な歯を保つよう心がけましょう。