デンタルニュース

口呼吸のおはなし

口呼吸=こうこきゅうと読み、開口呼吸などとも呼ばれますがまさに口で呼吸している状態をいいます。 

哺乳類の呼吸の理想は鼻呼吸であって、赤ちゃんがミルクを飲む時から鼻で呼吸をするものです。
鼻にトラブルがあると口呼吸になりがちです。

例えばアレルギーや風邪の時、鼻が詰まると口で呼吸しますね。
走った後にハァハァと息をするのも補助的に口を使って呼吸をしています。いびきも就寝時に舌が喉奥に落ち込んで狭くなった空間の空気振動で音が出るのです。

この口呼吸も一時的であれば問題ないのですが、口で呼吸をすると細菌が入りやすくなり、口や唇、気道が乾きやすくなり、歯ぐきが腫れやすくなり、また口臭の原因にもなります。風邪や様々な病気を招きやすいと言われています。

子供が口呼吸をしていることに気づいたら早めに耳鼻科や歯科に相談してください。
癖にしてしまってはよくありません。

また大人になってもよく口が開いていると、周りから見たときの印象があまりよくありませんね。
口呼吸を防ぐためのテープや顎を閉じられるようにするグッズもたくさん販売されており、悩んでいる人は少なくないのだと想像できます。

本来口は閉じていて空気が少なめの状態であることが理想です。
空気が嫌いな嫌気性菌が多いのですが、口呼吸をしていると空気があるところを好んで生活する好気性菌が優位になり、お口の細菌層が変わります。

そのため歯ぐきの腫れが出たり、抵抗力を失ったり、口が渇くことにより好気性菌の働きも活発になるなど、本来の口の理想機能と逆の環境に晒されてしまうのです。

唾液の分泌が減ってしまうドライマウスは、味覚異常を招いたり口の中が乾いて摩擦が大きくなるために痛みが出たりします。
加齢やストレス、ホルモンバランスの崩れ、または飲んでいるお薬の作用などにより引き起こされるものです。

口呼吸している状態ではこのドライマウスに近い状態になります。

口の中が乾くと細菌は粘度が高い状態になり、温かい口のなかでまるで細菌培養器にかけられているように増殖していきます。

老廃物も唾液に流されにくくなり、酸性の毒素を排出し続けるので口臭や歯ぐきの炎症が続いてしまうのです。

また口が開いていることにより歯が噛み合う時間が短くなり、口輪筋という口の周りの筋肉の働きとの兼ね合いで歯並びが変わってくるなどの説もあります。

加齢により口の周りの筋肉が緩んだ時にも口呼吸が起こりやすいとも言われていて様々な原因が絡み合って起きていると考えられます。

口呼吸の原因はさまざまです。口の中だけに原因があるとは限りませんが、思い当たる方はまずはご相談ください。