デンタルニュース

「噛む」おはなし

普段食事をするときに、噛むと言うことを意識している人はそう多くないと思います。
しかし食事をするにも、重たい物を持つためにグッと力を入れるときにも、ゴルフやテニスなどおなじみのスポーツの時にも何気なくヒトは噛むという動作をしています。

噛む時、お口周りの筋肉が働き、約50キロ程度の力をかけています。
その人の体重くらいまでの力をかけることができるそうです。
何気ない動作に随分大きな筋力を必要としていることがわかると思います。

噛む筋肉が衰えるとスポーツのスコアが変化するなんていう話もあります。

動物では噛む力が一番強いのはワニだそうですが、ワニの頭部を解剖すると筋肉がたくさん詰まっているようです。
人間の30倍もの咬合力があり、その力はジョーズでおなじみホオジロザメの2倍にも匹敵するというからちょっと驚きですね。

さて、人間に話を戻しますと、昔の人はファストフードなどもなかったので食事時間は今よりも長く、噛む回数も非常に多かったと言われています。

現代では食事の時間が戦前の日本と比べ半分ほどになったそうです。
さらに噛む回数も戦前の日本人の半分以下に減っていると言われています。
食事形態の大きな変化もありますし、また調理方法も変わってはいますが、昔の人は顎をよく使っていたということですね。

しっかり噛むとどのように良いことがあるのか具体的に知っている方は少ないかもしれません。

赤ちゃんは食べ物を離乳食と言う形で、小さく柔らかくしたものから口にしていきます。
歯が生え揃えば、しっかり噛むことができるようになり、噛む刺激によって唾液がたくさん出てきます。

その唾液は虫歯を予防する効果があったり、消化を助ける酵素を含んでいるなど良いことがたくさんあります。

また、噛むことで緊張を和らげリラックスできるとも言われています。
スポーツ選手がガムを噛んでいるのをみたことがありませんか?
噛むということは、口の中の環境だけでなく全身に良いことがあるわけです。

また、しっかり噛むことで満足感を感じますので食べ過ぎを防ぐこともできます。
おやつには袋に入ったスナック菓子ではなく、スルメや煮干し、硬いナッツ類、季節の野菜や果物などを食べると良いですね。

カロリーの高いファストフードは柔らかいものが多いので、噛む回数も少なく満足度を感じる前に多くカロリーを摂取してしまう傾向があります。
ダイエットのためにはしっかり何度も噛むと良いのですね。

よく噛む人は顎の骨がしっかりと発達しています。
顎の関節周りの筋肉がよく動き、脳への血流を促したり、唾液の分泌も促すことが期待できるのです。唾液が少ないと悩んでいる人は、是非よく噛む事をお勧めします。

美味しく食事をして楽しくおしゃべりができると、頭部の健康も促進できるなんて面白いですよね。

こんな風に身体の健康につながる動作、「噛む」ということをしっかり意識して、自分の歯でいつまでもしっかりと噛むことができればいいですね。